唐辛子の定番の品種7選|特徴と用途まとめ

唐辛子 辛味の雑学

辛味の代表格である唐辛子。

原産地は中南米で、メキシコが栽培の起源地とされています。

江戸時代には日本にも根付き、多数の品種が栽培されていたとのこと。

本記事では、世界中で古くから根強い人気を誇る唐辛子について、辛い料理や調味料などによく使われる定番の品種をご紹介していきます。

定番の品種

鷹の爪

江戸時代から評判の日本の代表品種

鷹の爪は江戸時代から栽培されている日本原産の唐辛子です。

江戸時代の学者、平賀源内が著した唐辛子の図鑑『蕃椒譜』において「味、香り、辛さにおいて、食するには、これを第一とすべし」と記されるほど質の高い品種とされています。

現在日本に流通している唐辛子はそのほとんどを輸入に頼っており、純正の鷹の爪は貴重な存在となっています。

そんな中、大阪府堺市に「やまつ辻田」という和風香辛料を販売するお店がありますが、古くから伝わる純正の鷹の爪を取り扱うお店として知られています。

純正の鷹の爪は節なりに実がつくのが特徴で、房なりの鷹の爪と比べて辛味が強く、香りが良いとされています。

和洋中問わず様々な料理に

料理のレシピ本に「唐辛子」ではなく「鷹の爪」と記載されるほど唐辛子の代名詞となっている鷹の爪。

きんぴらごぼう、ペペロンチーノ、麻婆豆腐など和洋中問わず様々な料理で使われています。

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三鷹

房なりの優良品種

三鷹は「三河の国の鷹の爪」が名前の由来とされています。(「三河の国」は現在の愛知県東部にあたります。)

房なりの品種を改良したもので、収穫のしやすさや辛味がしっかりとあることから優良品種として広まったそうです。

代表的な産地は栃木県で「栃木三鷹」として知られています。

現在日本で流通している唐辛子に中国産の天鷹という品種が多く見られますが、天鷹は三鷹が日本から中国に伝わり改良された品種だそうです。

一味唐辛子・七味唐辛子の主流

日本で唐辛子を使った調味料といえば一味唐辛子や七味唐辛子が定番ですが、その原材料として、収穫のしやすさ等の理由から鷹の爪よりも三鷹を使用するのが主流になっているそうです。

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ハラペーニョ

メキシコを代表する肉厚の品種

ハラペーニョはメキシコ原産の品種で、他の品種と比べて果肉が厚く、辛味は控えめであるのが特徴です。

ピクルスとしてトッピングに

酢漬けにしたピクルスとして販売されていることが多く、タコスやハンバーガーのトッピングとして使用されます。

モスバーガーで1991年から発売されている人気メニュー「スパイシーモスバーガー」にはメキシコ産のハラペーニョが使われているそうです。

モスバーガー公式サイト
モスバーガーのメニュー

その他にもサルサソースやタバスコの原材料に使われており、調味料としてメキシコ料理に欠かせない存在となっています。

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ハバネロ

第3次激辛ブームの火付け役

1994年から2006年までの間、ギネスブックに「最も辛いスパイス」として掲載されていたハバネロ。

第3次激辛ブームにおいて、2003年に発売されたスナック菓子「暴君ハバネロ」をはじめとして、激辛の代名詞のような存在になっています。

辛味だけでなく、柑橘系の独特な香りをするのが特徴とされています。

激辛の代名詞として根強い人気

ハバネロはスナック菓子やレトルトカレーをはじめ、激辛を謳う様々な商品に使われています。

ハバネロソースや一味唐辛子など、調味料としても多くの商品が販売されており、ギネス世界記録から退いた以降も根強い人気が伺えます。

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プリッキーヌ

タイの代表的な唐辛子

プリッキーヌはタイで栽培されている代表的な品種で、タイ語でプリックは「唐辛子」、キーヌは「ネズミの糞」を意味します。

実が細長く小ぶりであるのがその名の由来で、鷹の爪よりも辛味が強いとされています。

タイ料理の辛味付けに欠かせない

東南アジアにおけるエスニック料理の中でも辛い料理が多数ラインナップされているタイ料理。

パクチー・レモングラスなどのハーブやナンプラー(カタクチイワシを塩漬けにして発酵させた調味料)を使った香り高い料理が特徴的です。

タイ料理としてトムヤムクン、タイカレー、ガパオライス、パッタイなどが有名ですが、その辛味付けにはプリッキーヌが多用されています。

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朝天辣椒

中国四川省の唐辛子

朝天辣椒(チョウテンラージャオ)は中国の四川省で栽培されている唐辛子です。

果実が天に向かって成長するのが名前の由来とのことです。(中国語で「朝」は「向かう」、「天」は「空」、「辣椒」は「唐辛子」を意味します。)

本格的な四川料理に使われる

朝天辣椒は麻婆豆腐など四川料理でよく使われます。

横浜中華街にある四川料理の老舗「重慶飯店」には朝天辣椒を使ったメニューがあり、日本でも本格的な四川料理のお店で見かけることがあります。

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韓国唐辛子

辛味は強くなく甘味のある味わい

韓国語で「コチュ」と呼ばれる唐辛子。

キムチやチゲを作る際に日本でもよく使われる唐辛子で、乾燥した粉末状の商品が多く、用途によって「細挽き」や「粗挽き」など粒度の異なる商品が売られています。

韓国唐辛子の代表的な品種として「チョンヤンコチュ(청양고추)」という品種がありますが、日本では特定の品種というよりは「韓国唐辛子」として総称して流通しているようです。

キムチ作りに最適

鷹の爪と比べて辛味は強くなく、甘味のある味わいが特徴で、キムチ作りには最適と言われています。(鷹の爪でキムチを作ると辛すぎて一般的には食べられないそうです。)

コチュジャンの原材料にもなり、ビビンバやトッポギ、ケジャンなど韓国料理で定番の辛味調味料としても使用されます。

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辛さランキング

本記事でご紹介した唐辛子をスコヴィル値(Wikipedia調べ)による辛さの順に並べてみました。ご参考まで。

順位品種スコヴィル値
1ハバネロ200,000 〜 450,000
2プリッキーヌ50,000 〜 100,000
3鷹の爪40,000 〜 50,000
3三鷹40,000 〜 50,000
5朝天辣椒30,000 〜 50,000
6韓国唐辛子20,000 〜 50,000
7ハラペーニョ2,500 〜 8,000